Tokyo Institute for Advanced Studies of Language

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春期特別講座 - 要項・講義内容 / 受講申込
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2008年度春期特別講座のご案内

 東京言語研究所では、下記の要領で2008年度春期特別講座を開講いたします。多くの皆様のご参加をお待ちしています。

開催趣旨:
 東京言語研究所は、1966年3月、言語学の基礎的な研究と基本的な教育の必要性を認め、とくに、言語学教育のための開かれた体制を確立することを主な目的として服部四郎(東京大学名誉教授)運営委員長のもとに創立されました。理論言語学講座は研究所の活動の中心をなすものとして位置づけられ、以来、今年度まで42年の長きにわたって、日本における言語学教育において重要な役割を果たしてきました。
 研究所では、2004年度より、理論言語学講座に加えて、春期特別講座を開講しています。春期特別講座は、2日間で、受講者に現代言語学の主要な研究領域やアプローチを紹介し、受講者を魅力ある言語学の世界へ誘うことを目的としています。今まで言語学に関心を持たれていなかった方も言語学のおもしろさや興味深い話が聞けることでしょう。研究所では、この特別講座受講が多様な課目が開講されている理論言語学講座を受講するきっかけとなることを願っています。
 また、この特別講座受講者が2008年度理論言語学講座を受講する場合、特別講座の受講料は理論言語学講座受講料の一部に充当されます。

開催日時:
2008年4月19日(土曜日)、20日(日曜日) (両日とも午前10時より午後5時まで)
会場:
新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビル13階教室、他(予定)
※当ホームページ「要項」のページにある案内図参照
定員:
【教室1】80名 【教室2】50名(先着順に申込みを受付け、定員に達し次第締め切る。)
受講料:
2日間 10,000円   1日のみ 5,000円 (いずれも消費税が加算される。)
(受講料は事前振込みを原則とするが、当日会場受付にても可能とする。)
申込み方法:
  1. 当研究所ホームページ上の「春期特別講座・受講申込みフォーム」から必要項目記入後メールにて送信する。
  2. 所定の「受講申込書」にて、FAXまたは郵送する。
申込み先:
  • メール:info@tokyo-gengo.gr.jp
  • ファクス:03-5324-3427 
  • 郵送:〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビル16階
    東京言語研究所「春期特別講座」係
2008年度 春期特別講座 時間割
●1日目(4月19日・土) 【教室1】 【教室2】
1限(10:00-11:20) 「言語研究のおもしろさT」 大津由紀雄
2限(11:40―13:00) 「言語心理学」 大津由紀雄 「音韻論」 早田 輝洋
〈昼休み〉
3限(14:00―15:20) 「音声学」 上野 善道 「生成文法」 今西 典子
4限(15:40―17:00) 「統語分析」 長谷川欣佑 「言語の脳科学」 酒井 邦嘉
●2日目(4月20日・日) 【教室1】 【教室2】
1限(10:00-11:20) 「言語研究のおもしろさU」 池上 嘉彦
2限(11:40―13:00) 「認知言語学」 大堀 壽夫 「語の意味と語形成」 杉岡 洋子
〈昼休み〉
3限(14:00―15:20) 「言語・概念の発達」 今井むつみ 「言葉の意味が分かるとは」 西山 佑司
4限(15:40―17:00) 「文法原論」 梶田  優 「日本語文法理論」 尾上 圭介
*「講義概要」は東京言語研究所ホームページに掲載いたします。なお郵送希望の方には送付いたします。

2008年度春期特別講座 講義概要

第1日目:4月19日(土)

○4限(1のF)
 「言語の脳科学」
酒井 邦嘉(東京大学准教授)

「言語の脳科学」について、入門的な講義を行う。言語に規則があるのは、人間が言語を規則的に作ったためではなく、言語が自然法則に従っているからである。こうしたチョムスキーの言語生得説は激しい賛否を巻き起こしてきたが、最新の脳科学は、この主張を裏付けようとしている。実験の積み重ねとMRI技術の向上によって、脳機能の分析は飛躍的な進歩を遂げた。身近な言語をめぐる問題について、脳科学の視点から考えてみる。
 文の統語的構造について考えてみると、この特性(再帰的計算)とよく似た構造が数学や音楽にも見られ、人間の知的活動や芸術的活動を支えていることが分かる。言語を含めて、人間の高次脳機能を生み出すメカニズムを明らかにするのが、「システム神経科学」である。我々の研究チームは、MRIなどの手法を用いて、文法処理の時に普遍的に働く中枢(文法中枢)が左脳の前頭葉にあることを突き止めた。また、この文法中枢の他にも、文章理解に必要とされる中枢が左脳の前頭葉にあることが日本語だけでなく日本手話でも確かめられ、脳の「言語地図」が明らかになりつつある。


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