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中公新書
4月の新刊

 暖かい日、雨の日、肌寒い日。これらが交互にやってきて、緑が深い季節へと向かっています。中公新書4月の新刊は、例月どおり4点の刊行です。
 現在の経済学の基礎を固めたのがケインズであることは、多くの人が知るところです。しかし、ケインズに到る経済思想の流れを理解せずに現代経済学は語れません。新古典派経済学とははっきりと異なるケンブリッジ学派の思想を知るための必須の一冊が『現代経済学の誕生』です。
 バブル崩壊以降のいわゆる「失われた十年」は、すでに過去のものなのでしょうか。『「失われた十年」は乗り越えられたか』は、産業ごとの不況への対応を検証し、これからの企業戦略の背骨となる知見を提供します。
『鉄腕アトム』の頃と比べて、科学者のイメージは、ずいぶん変化してきたのではないでしょうか。ひとり研究に没頭しているだけでは済まなくなっていることはご存じの方も多いでしょう。いま、科学者にとって最も大切なことは何か、また、それを実現するために何が必要か、といった疑問に、『科学者という仕事』が答えます。
 小説、マンガや映画で一躍有名になった安倍晴明。京都の晴明神社は、若い参詣人でいつも混雑しています。しかし、彼ら陰陽師の実像は、まだあまり知られているとはいえません。現存する史料から彼らの地位と仕事に光を当てるのが『陰陽師』です。
 今月の帯は、カラシ色です。


現代経済学の誕生
ケンブリッジ学派の系譜
伊藤宣広 著
マーシャルにはじまるケンブリッジ学派を貫く実践志向。現実に応えるための経済理論はどのように継承発展されたのか。俊英による経済思想史。

新書判/240ページ/定価819円(本体780円)
ISBN4-12-101841-9 C1233

「失われた十年」は乗り越えられたか
日本的経営の再検証
下川浩一 著
日本的経済システムがグローバル化への適応に呻吟したこの十年、自動車産業、家電・電子産業、流通業はどう対応したのか。

新書判/312ページ/定価840円(本体800円)
ISBN4-12-101842-7 C1233

科学者という仕事
独創性はどのように生まれるか
酒井邦嘉 著
科学者たちが残してくれた真理を鋭く突くことばを手がかりに、科学研究、そして科学者について考えてみよう。サイエンスの現場からの招待状。

新書判/288ページ/定価819円(本体780円)
ISBN4-12-101843-5 C1240

陰陽師
安倍晴明と蘆屋道満
繁田信一 著
同時代人たる平安貴族の日記を手がかりに、神秘に彩られた陰陽師たちの具体的な活動を解明する。

新書判/224ページ/定価777円(本体740円)
ISBN4-12-101844-3 C1221

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