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7月の新刊 (毎月25日発売)

 本格的な夏の到来です。長期休暇の旅先で、また、うちでゆっくり風の通り道を見つけながらする読書も、伝統的な銷夏法です。中公新書の7月新刊5点、あなたの夏の1冊にふさわしいものはどれでしょうか。
『言語の脳科学』は、脳がどこまで解明できたのかを知るためにも、また、脳の中で言語がどのようにつくられるのかを知るためにも、最適な解説書です。人間のからだでもっとも謎の多い部分である脳については、たくさんの本が刊行されてきました。日進月歩のこの分野にゴールはありません。脳科学、認知科学、言語学の最新の到達点を確かめてください。
『入門 環境経済学』は、この分野の精鋭研究者2人による共著です。環境経済学とはどういう学問なのかを概観するのはもちろんですが、それを実際の環境問題への取り組みにどう利用すればいいのかを、具体例をもちいて説明します。机上の空論を振りかざすのでもなく、向こう見ずな活動に没頭するのでもなく、実効性のある議論を行なうための基礎として読まれれば、と思います。
 近代建築の遺産を見て歩くことが盛んですが、日本の行政の中心地・霞ヶ関に対象を絞って、生まれては消えていった各種建造物が織りなす美しい景観をたどるのが『霞ヶ関歴史散歩』です。東京ローカルな1冊ですが、街歩きの友として気軽にお楽しみください。
 W杯での来日や、年末の選挙に向けての話題で注目が集まっている韓国大統領。戦後の独立以降の大統領8人の公私にわたる全貌を、要所を押さえて記述したのが『韓国大統領列伝』です。韓国をもっと知るために座右の1冊です。
 銀行合併は、疲弊した銀行のための起死回生の策として期待されていましたが、合併後に待ち受けていたのは、システム障害や格付の低下など、明るい将来を予想させないものばかりでした。『メガバンクの誤算』は、最新の動きばかりが報道されるなかで、日本の銀行が継続的に抱えてきた問題にまでさかのぼりながら、メガバンクが陥っている困難の本質に迫ります。
 今月の帯色は、落ち着いた茶色。暑い日に恋しい、ひんやりした土の温度を思って巻きました。

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言語の脳科学

脳はどのようにことばを生みだすか
 げんごののうかがく   のうはどのようにことばをうみだすか
酒井邦嘉 著
さかいくによし
言語に規則があるのは、人間が言語を規則的に作ったためではなく、言語が自然法則に従っているからである――。こうしたチョムスキーの言語生得説は激しい賛否を巻き起こしてきたが、最新の脳科学は、この主張を裏付けようとしている。実験の積み重ねとMRI技術の向上によって、脳機能の分析は飛躍的な進歩を遂げた。本書は、失語症や手話の研究も交えて、言語という究極の難問に、脳科学の視点から挑むものである。
 新書判/352ページ/本体900円+税/ISBN4-12-101647-5 C1245


入門 環境経済学

環境問題解決へのアプローチ
 にゅうもん かんきょうけいざいがく   かんきょうもんだいかいけつへのあぷろーち
日引聡/有村俊秀 著
ひびきあきら ありむらとしひで
私たちはさまざまな製品やエネルギーを大量に消費し、豊かな生活を享受する一方で、ゴミを捨て、排気ガスや二酸化炭素をまきちらし、環境を汚染している。このようなライフスタイルは持続可能ではない。かといって私たちが昔のような生活に戻ることも不可能である。豊かな未来のために今しなければならないことは? 経済学の基本から、ごみ有料制、排出量取引まで、環境経済学のすべてをやさしく解説し、明日への処方を明示する。
 新書判/240ページ/本体780円+税/ISBN4-12-101648-3 C1233


霞ヶ関歴史散歩

もうひとつの近代建築史
 かすみがせきれきしさんぽ   もうひとつのきんだいけんちくし
宮田章 著
みやたあきら
霞ヶ関は皇居、丸の内とあわせて独特の美しい景観を誇る、世界に例をみない中央官庁街である。近代国家の象徴として官庁街建設に夢をかけた政治家や、さまざまな工夫と試行錯誤を繰り返した有名無名の建築家・技術者、異国に活躍の場を求めた明治期の「御雇外国人」など、彼らの織りなす人間模様を描きつつ、今も時代の変化を映し続ける霞ヶ関を、個性的な近代建築の来歴で描き出す。写真多数収録。
 新書判/216ページ/本体720円+税/ISBN4-12-101649-1 C1225


韓国大統領列伝

権力者の栄華と転落
 かんこくだいとうりょうれつでん   けんりょくしゃのえいがとてんらく
池東旭 著
ちとんうく
独立以来8人を数える韓国大統領のうち、1人は暗殺され、3人は任期途中で下野、2人は退任後、逮捕された。反日親米の国づくりを進めたものの、民衆の支持を失い亡命した李承晩、独裁統治で高度経済成長を達成したが、酒宴の最中、ナンバー2に暗殺された朴正煕……。クーデタ、逮捕、断罪、特赦、亡命など転変きわまりない浮沈を重ねた歴代大統領の生い立ちから、権力掌握のプロセス、その挫折までを活写する。
 新書判/280ページ/本体820円+税/ISBN4-12-101650-5 C1223


メガバンクの誤算

銀行復活は可能か
 めがばんくのごさん   ぎんこうふっかつはかのうか
箭内昇 著
やないのぼる
期待されて誕生した四つのメガバンクは、今や総崩れに近い状況に陥り、欧米の大銀行との間に大きな格差が生じた。直接要因はバブル期の不良債権だが、背景には、壮大なカルテルと横並び体質がある。合併はこの旧体質から抜け出せない中での自滅行為だった。再建への道は険しいが、「急がば回れ」の王道を行くしかない。そのために必要なことは、旧世代の残滓の一掃、時代に適った体質改善、国民の信頼回復である。
 新書判/288ページ/本体820円+税/ISBN4-12-101651-3 C1233

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